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【News】朝日の小森敦司、またまたアカのプロパガンダ。ガス田問題で。 [東シナ海ガス田問題News]

加熱するアジア・エネルギー報道の落とし穴
http://www.asahi.com/international/aan/issen/issen77.html

小森 敦司
(AAN主査)
(月刊誌「エネルギーフォーラム」3月号からの転載)

「地政学」使えば書くのも楽?

「記者クラブの外からの目」。今回はあえて「記者の目」のタイトルからはずれて、そんな「外」からの視点でこの原稿を書かせていただきたい。記者クラブという前線から離れていたために、ようやく、このごろ、見えてきた「もの」があるからだ。

自己紹介になるが私は昨年4月から、日本とアジアのかかわりあいを模索する、朝日新聞のシンクタンク的な組織である「アジアネットワーク(AAN)」に籍を置き、「アジアのエネルギー協力」について研究や取材、執筆をしてきた。

この命題が先にあるからだろうか、最近、エネルギー問題を取材する前線の記者たちが、エネルギー資源をめぐる「確保戦略」や「地政学」といった言葉に、あまりに惑わされていないか、と感じるのだ。

実は私も02年から05年までロンドンに特派員として滞在し、この間、リビアやアゼルバイジャンなど産油国を回ってエネルギー情勢を書いてきた。その際、資源をめぐる「地政学」的攻防といった切り口にすがりついていたかも、と今にして思う。そんな「定番」を使った方が書くのが楽とも言える。

確かに米国の歴代政権が「地政学」的に動いてきたのは否定できないが、それをもって日本も「地政学」で動け、という問題設定をして良いとはならないだろう。AANに来て、そんな点にも気づかされた。

だが、当局や企業からのナマの情報が飛び交う記者クラブでは、巧みな「誘導」のためか、記者たちは地政学的に「資源を確保せよ」論に安易に寄りかかって、事実関係をしっかりと分析する「目」力も失っているかのように思える。

端的なのは、「東シナ海で中国が開発を進めている」春暁ガス田問題だろう。中国の生産準備が明らかになった04年ごろ、新聞は当時の中川昭一経産相の「日本にとって極めて大事な資源」といったコメントを紹介した。その後も、専門家の「天然ガスの埋蔵量は1|2兆立法フィートと言われている。もしそれくらいの量なら国内最大規模になる」との談話を載せている。

過大視される春暁の埋蔵量

本当はどうか。「エネルギーフォーラム」の読者なら、ご存じだろう。1兆立方フィートとして国内では最大かもしれないが、ロシア・サハリン一帯の資源と比べると百分の1程度しかない。

量だけ考えるなら、「大事な資源」とは言えまい。しかも、九州などにパイプラインで持ってくるには遠すぎる。本来、付ける枕ことばは「東シナ海で中国が開発を進める、日本からは遠く、とても小さい、ガス田」がふさわしいはずだ。

ところが、こんなシンプルながら肝心なデータを押さえた記事が調べてもなかなか出てこない。紙幅がないという言い訳もできるだろうが、一部週刊誌は乱暴にも「(東シナ海には)石油大国イラクに並ぶ石油が眠っている」と書きなぐっている。この「イラク並み」論が意外と世間に浸透している。それが日本政府をして、振り上げた拳をおろしにくくしているようにみえる。

こうした報道の「過熱」感が増した中で策定が進んだ「新・国家エネルギー戦略」についても、記者クラブの外にいる私としては、いまだに理解できない点が残る。「戦略」に盛り込まれた「海外での資源開発目標||2030年までに40%程度を目指す」などの数値目標について、その妥当性を検証した記事が見つからないのだ。

ひとり歩きする自主開発目標

私なりに調べてみて驚いた。

「何度かこの数値目標の根拠を伺ったんですけれども、どうも明確でない。数値目標は、まずひとり歩きする数値になる。もし、その数値について説得性があるならば、軸の振れない対策実施の明確な根拠になると思うんですけれども、どうも説得性のある説明を伺えない……」

総合エネルギー調査会総合部会の06年5月の第5回会合の議事録に、内藤正久委員のこんな発言が残っていた。氏は通産省の中枢を歩んだ後、伊藤忠商事副会長などを経て、現在、日本エネルギー経済研究所理事長という、いわば日本のエネルギー問題の「知」の最高峰だ。その内藤氏がこんな指摘をしていたとは。

最近のイラン・アザデガン油田問題や「サハリン2」騒動をめぐる解説記事の多くは、「40%」に照らして日本のエネルギー戦略が危うい、といった論理構成になっている。内藤氏が懸念したように「40%」などの数値目標が、その「根拠」を問われることなく歩き出している。それどころか、日本がとにかく達成すべき値としてすでに描かれていないか。

違和感を覚えるのは、90年代末、一部新聞で「石油公団廃止」論がブームとなった時とのギャップもある。私もそのころ通産省の記者クラブに詰めていたが、一部の記者は当時の堀内光雄通産相の「告発」を受け、公団廃止論を強力に展開した。いまとは正反対だ。それだけに、現在の前線記者には「そのまま突っ走って、大丈夫?」と問いかけたくなってしまう。

昨今、「サハリン2」問題などでお騒がせのロシアも、「エネルギー帝国主義」や「国家管理強化」といったレッテルを張るだけで、「おしまい」にしていないだろうか。ロシアが抱えている技術面などの「弱み」まで突いてこそ、日本の資源外交のあり方を提案できるはずだが。

ちなみにAAN客員研究員の伊藤庄一・環日本海経済研究所研究員は2月5日付の朝日新聞朝刊で、国家管理強化といったレッテルについて皮肉っぽく「これこそロシアが欲しかったもの」と指摘している。そう、実はこわもてを取りつくろう、としている相手に向かって、「おまえは強いな」と、「戦う」前からびくついていては、「勝負」はもうついている。

今後もエネルギー資源をめぐる議論はますます熱くなるだろう。だからこそ、この問題を伝える私たちは、冷静に情勢を見抜き、分析できる「目」力を磨かなければ、と思う。

   ◇

今回は、月刊誌「エネルギーフォーラム」3月号への寄稿文を、同誌編集部の了解をいただき、転載させていただきました。同誌のご理解に深く感謝申し上げます。なお、アジアのエネルギー情勢の「いま」を考えたい、と昨年から続けてきましたこのコーナーは、今回をもちましていったん終了させていただきます。ご愛読、ありがとうございました。

(2007年3月2日)

以上、国家の主権の問題を資源の大小に矮小化するアカのプロパガンダでした。

関連エントリ

【News】朝日の小森敦司、紙面で堂々アカのプロパガンダ。ガス田問題で。
http://blog.so-net.ne.jp/current_affairs/2006-09-21

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